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ゴールデンウィークのある日の午後、 ピアノの練習をしていると
いつになく賑やかな 鳥のさえずりが聞こえてきました。
カーテンをあけてみると一羽のシジュウカラが、
モミジの木と金木犀の木を行ったり来たり。
つがいのもう一羽は、金木犀の木のまわりでさえずりながら、小さく飛んでいました。
そして、金木犀の木からはかわいい鳴き声も聞こえてきました。
もしかしたら・・・と思い、金木犀の木を下からそっと覗いてみると、可愛い鳥の巣が!
 シジュウカラが巣作りをして、ひなを育てていたのです。

シジュウカラの名前は、以前にピアノを習いに来ていた動物好きの生徒が、
3~4年ほど前に線路の上で可愛く飛び跳ねている白黒模様の鳥が珍しくて、
「wちゃん、あの鳥の名前ってなんていうの?」 と尋ね、
「シジュウカラです。」
と教えてくれた思い出の鳥でした。

さてさて、私はうれしくなって覗いていましたが、
親鳥は警戒して一羽は鳥の巣のそばでじっと動かずに、
もう一羽はお隣の家の屋根から、しきりにさえずっていました。
「あっ、そうか。危険をしらせているんだわあ・・・」
私は申し訳なくなって、静かに家の中に入りました。

シジュウカラの鳴き声を聴いていると2種類の鳴き方があって、
危険を知らせている時とそうでない時とでは、どうも鳴き方が違うようでした。
こんな小さな親鳥でも、ひなのために餌を一生懸命運び、
外敵からひなを必死に守ろうとする姿を間近に見られて、
とてもうれしいやら胸がじーんときて感激するやらで、
ピアノの練習もそっちのけで、しばらく窓から眺めていました。

次の日は風雨の激しい日となり、私は鳥の巣のひなたちが心配になりました。
そして、翌日は快晴となり、また巣を覗きに行きましたが、
シジュウカラのひなたちは巣立っていったのか、
そこには空っぽの鳥の巣だけが残されていました。

可愛い鳴き声が聴けなくなって少し寂しかったのですが、
我が家の庭の木から巣立っていってくれたシジュウカラたちが、
たくましく自立していって欲しいと願う我が子の姿に重なって、
ありがたくてあたたかい気持ちになりました。

来年もまた巣作りにきてほしいなあ(^^♪

今週のKちゃんのレッスンです。

「ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本 1巻」の2曲目である
 「ドレドレいばりやマーチ」を先週からレッスンしています。

この曲は、右手でドとレの音を2と3の指、または1と2の指で、左手でドの音だけを2の指、または3の指で、”マルカート”というはっきりした音で弾く曲です。楽譜には、絵本「ピーターラビットのおはなし」に登場する、お腹をでっぷり突き出したうさぎのベンジャミン・バニー氏が、パイプをくわえていばって歩いている一場面がのっています。

先週のレッスンでは・・・・
 
「いばりやマーチってどんなの?どすどすって感じかなあ。」
 
「kちゃん、いいところに気がついたね!楽譜の絵にあるベンジャミンさんのように、一緒にい
 ばってあるいてみよう!」

手を後ろに組んで、2人で足をペタッ、ペタッとさせながらいばっているように歩いてみました。

「Kちゃん、なかなか上手だね。そんな感じで、指のおなかを足のうらのようにペタッ、ペタッ  とさせてピアノで弾いてみよう!」

まずは”いばってあるく”体験をしてから、そのイメージを音で表現すること、そのための奏法を
レッスンしました。ピアノは第2関節を曲げて力で弾くのではなく、指の付け根を動かして指のお腹で弾くことを習い初めのときから身につけておくことが、良い音を出すためにはとても大切です。

さて今週のレッスンでは・・・

「Kちゃん、どの音もしっかり弾けたね。右手の2と3の指が付け根からまっすぐ下りて、指の
 お腹でちゃんと弾けてるよ!良い音だったね。左手の2の指は、指というよりも手で突き刺し 
 て弾いているから硬いね。右手と左手の2の指を交替させるように弾くといいよ。」

「あっ、わかった!右手と左手でゆずりあいしたらいいんや!」

なんと!こんな場面で”ゆずりあい”という思いやりのある言葉が出てくるなんて、すばらしい!

「Kちゃん、よくそんないい言葉が出てきたね。学校のブランコなんかも”ゆずりあい”して乗っ 
 てるんだね。」

「うん。ブランコに乗るときは、学校の決まりで2年生から6年生は2年生にゆずることになっ
 るねん。」

「そう。学校で習ったことちゃんと覚えていてえらいね。2と2の指を”ゆずりあい”するって聞
 いて、先生感激しちゃったわ。」

学んだことを素直に受け止めて、生活の中で生かしていける謙虚さ。また今週も大切なことを子どもから学ばせてもらうことが出来ました。

今週のkちゃんのレッスンです。

kちゃんは、今月からレッスンに通っている
明るくて、歌声のきれいな女の子。(おしゃべりもとても楽しい!)

体験レッスンでは、
「毎日が月曜日だったらいいのに!」と言うくらい
 とても楽しかったという本人の感想をお母さんから伺ったときは、
何て子どもらしくて愛らしいのだろうと、とても感激しました。
  
そんなkちゃんが今レッスンしている曲は、
「ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本 1巻」の
一番目の曲である「ピーターのたいこ」。
この曲は、4分音符のみの真ん中のドを左右の同じ指を使って、
同じ音量、音価、音質で弾けるように耳を澄ましながら、
たいこのように楽しく弾く曲です。

大きな音・小さな音、ゆっくりのテンポ・速いテンポで弾いてくることを
課題にしていましたが、リズム感のよいkちゃんは、
しっかりとした拍節感でニコニコと演奏。

「わあ、すごい!どの音もみんな揃ってたね。」
「kちゃんな、もうぜんぶおぼえた!呼吸もちゃんとできたよ!」
と自信たっぷりで笑顔のkちゃん。

こちらがメロディーを入れて一緒に連弾をすると、
「音楽になってる!」と、とてもうれしそう。

「今度は違うたいこにしてみようか。”リスのたいこ”にしてみて。
 どこで弾いたら、リスらしいかな?」
「うーん、こっち(ピアノの右側を指して)。リスだから、高い音!」
「そうそう。ピアノは右に行くほど高い音になるね・・・」と
言っている間に、もうさっさと椅子も足台も高い音域へ移動させているkちゃん。

「リスらしいかわいいたいこだね。では、ぞうのたいこだったらどうなるかな?」
「ぞうなんかだったら、バンバン鼻でたいこたたかないとあかんわ!((笑)」
と言いながら、今度は一番低いドへ移動し、重たそうな動きでたいこの音を
表現してくれました。

「今度はkちゃんだったら、どんなたいこにしてみたいかな?」
「ネコのたいこ!うちのお母さん、ネコが大好きやで。
 ラッキー(kちゃんの家の猫の名前)がたいこをたたくにしてみる。
 ネコだったら、ここらへんかなあ・・・」
 と、イメージした高さのドまで移動するkちゃん。
 
こんな調子であれこれいろいろなたいこを弾いていたら、
あっという間にレッスン時間が経過し、
そろそろ次の生徒がやってくる頃になると、
好奇心いっぱいの目をキラキラとさせながら、

「番匠先生、もう1回弾いておく方がいいで。」と
いつまでもピアノを弾いていたい様子のkちゃんは、
もう一度「ネコのたいこ」を演奏してレッスンを終えました。

これからも、もっともっとピアノが好きで、音楽が好きでたまらなくなってほしい。
それは、指導者の私にかかっていると思うと、
ムクムクとやる気が湧いてきました。

お家でも、ラッキーに「ネコのたいこ」を聴かせてあげてるかな?










先週のYちゃんのレッスンです。

Yちゃんは真面目で几帳面な女の子。毎週課題をきちんとこなしてきます。
  今レッスン中の曲は「ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本3」の中の
「ピーターの行進」です。

この曲は音楽隊が、
 ①遠くからやって来て、目の前を通り過ぎ、反対側へ行ってしまう
 ②目の前から出発して、遠くへ行ってしまう
 ③遠くからやって来て、目の前で止まる
の3通りのパターンで弾く、楽しい曲です。

「先週よりも強弱がはっきりしたね。。よくなってる、よくなってる!」
嬉しそうなYちゃん。

「このパターンが、一番弾きやすいかな?」

「うん。これが一番弾きやすいけど、あとの2つ(のパターン)は、
 ちょっと難しい。」

「そうだね。では、次は②のパターンで弾いてみよう!」

  ~ ♫ ♩ ♫ ♩ ~

「うーん、初めは大きくて最後は小さくなっているけど、
 だんだん遠ざかるのはわかりにくいね。どうしたらいいと思う?」

「まん中あたりをもう少し小さくしたらいいと思う!
 はじめの大きさと変わらなかったから。」

「そうそう、よくわかっているじゃない!
 1フレーズごとに大きさを変えていくといいんだけど、
 中間あたりであまり変わっていなかったね。
 もう一度、弾いてごらん。」

自分の演奏を振り返ってみて、
何ができていないか、そしてどうしたらよいのかを
ちゃんとわかっていたYちゃん。
本当に賢い!
 
こんなことくらい、まあいいかと素通りせずに、
子どもに立ち止まらせて再認識させることは、
本当に大切なことだと実感しました。
普段の練習では、小さな発見と修正の積み重ねが
上達するポイントの一つになるからです。

「Yちゃん、やっぱりさっきと全然ちがうわ。
 ちゃんと気を付けて弾けば、演奏で表現できるね。」

Yちゃんのゆったりとした息づかいと、大きく開いた瞳から、
達成できた自信のようなものが感じられました。
そして、私はまた一つ、生徒から大切なことを学ぶことができたのです。

そのあとYちゃんは、③のパターンで遠くから近づいてくる音楽隊の行進を
はっきりとした強弱変化で聴かせてくれました。
次の曲は、やまびこを表現する「丘の上」。
どんなふうに演奏できるかな?
楽しみにしてるね、Yちゃん。

今週のOちゃんのレッスンです。

Oちゃんは、はきはきとしたとても明るい女の子。
今、レッスンしている曲は
「ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本2」の中の
「美しい泉」という曲です。
曲の前半と後半で、同じメロディーが強弱と音域を変えて
湧き上がる美しい水を流れるように表現する音楽です。


今週は片手ずつの練習で、まずはメロディーのある左手から演奏。

「まだ慣れていないけれど、先週よりも良くなっているね。
 でも、強弱の違いがわからないなあ。」
「ああ、そうだった!ここから(後半を指さして)!変わるんだった。
 わすれてたー(笑)」
「やっぱりね。もう一度弾いてごらん。」

もう一度左手だけ演奏するOちゃん。


「あんまり変わってないね。どうしたらいいんだろう?」
「はじめをもうちょっと大きく弾くといいと思う!」
「そうだね。後のピアニッシモからは静かできれいな音にガラッと変えて弾いてみて。
 湧き上がってくる綺麗な美しい水を想像してごらん!」
「そうだ!(絵を)描いてきたんだ!」
「わあ、見せて見せて!」
 
 お母さんに調べてもらった泉の写真を見て描いてきたというOちゃん。
 泉は実際に見ることが少ないので、絵を描いてみて何となく分かった様子。
 その後は右手も練習し、両手で弾いてくることを来週までの課題としました。


 ちょうどそのとき、次の子がレッスンにやってきました。
 「ふーん、Oちゃん”美しい泉”弾いているんだ。
  先生、リズム変奏(楽譜にはないリズムで弾くこと)もした?」
 「あっ、そうだそうだ!覚えてたのはすごい!
  ありがとう、先生忘れてたわ (;´・ω・)
  Oちゃん、こんな風にリズムも変えて弾いてきて!」

 
 なんと、生徒に指摘されてしまい情けない・・・のですが、
 レッスンしたポイントを
 生徒が覚えていてくれてとても嬉しかったのです。
 
 
 そんな私をよそに、
 以前に習った曲を一緒に楽しそうに弾いている2人。
 彼女たちの微笑ましい姿を私はうれしく見つめているのでした。

プロフィール
HN:
番匠 浪路
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性別:
女性
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