<< 2025 / 01 >>
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
[ 166 ] [ 165 ] [ 163 ] [ 162 ] [ 161 ] [ 160 ] [ 159 ] [ 158 ] [ 157 ] [ 156 ] [ 155 ]
ある思いから受験することになった保育士試験に、この度合格できました。
保育士試験の科目は全部で9教科であり、
3年以内に全ての教科に合格すれば実技試験に進めますが、
恥ずかしながら1教科の一つのミスで3年以内での合格を逃してしまい、
受験免除の切れた6教科を再受験して4年目にしてやっと得た合格です。

3年目に不合格になった時は頭上に石が落ちてきたかのようなショックでしたが、
家族の応援にも支えられて、もう一度やり直そうと重い腰を上げました。
初めは気が重かったのですが、再勉強を繰り返した「社会的養護」と「教育原理」は
長くかかった分 その深さを実感し、
何度も覚えた箇所はストンと蓄積されて、
苦しいだけではなく楽しさも感じながら、
今後の方向性を考える一助にもなったことが収穫でした。

特に「教育原理」で学んだ「学習指導要領」と「教育振興基本計画」は
大変興味深いものでした。
平成29年に改訂された(幼稚園から中学校。高校は翌年改訂)「学習指導要領」は

「新しい時代に必要となる資質・能力の育成」すなわち
 ・学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性の涵養
 ・生きて働く知識・技能の習得
 ・未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力の育成

の内容を方向性の一部として掲げています。
そして、これらのことを育成するためには、
主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)が必要となってきます。

学習指導要領の内容はもちろん学校教育におけるものではありますが、
私は勉強しながら、ピアノレッスンで行われるピアノ教育にも
通じるものがあると思いました。

曲の標題をイメージすること、
自分の音をよく聴きながら心を込めて弾くこと、
音楽を感じて自分の音で表現すること、
ピアノの音域の広さがオーケストラの演奏を想起しその素晴らしさを知ること、
読譜力をつけること、
音楽を通して曲の時代背景、世界の文化を知り、歴史に興味を持つこと、
 曲を演奏するために自分はいま何が課題なのかを理解して練習することなどなど、
たかがピアノのレッスンで培われるものではありますが、
小さな一つ一つが培われた時の喜びはささやかな自信につながり、
人や物への優しく丁寧な関わり、
人の話をよく聴く姿勢、
日常のありふれた風景や出来事への温かな眼差し、
そして勉強に励むことなどに繋がっていきます。
これはまさに私が未熟ながらも体験できたことであり、
厳しくも温かく指導して下さっている師には、心から感謝しています。

また第3期の「教育振興基本計画」(2018年~2022年)では、
 ・夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力を育成する
 ・社会の持続的な発展をけん引するための多様な力を育成する
 ・生涯学び、活躍できる環境を整える
 ・誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティーネットを構築する
 ・教育政策推進のための基盤を整備する
の5項目が挙げられていますが、
中でも「生涯学び、活躍できる環境を整える」が印象に残りました。

ピアノレッスンは子どもだけのものではなく、
何歳からでも始められるものです。
現に私の教室でも80歳から初心者でピアノレッスンを始められた方もいらっしゃいます。
ピアノを習うことが夢の一つだったそうですが、
いつか空港ピアノで手製の服を着て演奏することが新たな夢となったそうです。
私はこの夢のお話を伺い、何歳になっても変わることが出来て、
夢を持つことができるのだと実感してとても勇気を与えられました。

今後も社会は色々な問題を抱え、早いスピードで変化をしていき、
その中を生きていくのはどの年代にも様々な障壁があり、その連続なのだと思います。
でも、そんな中で、週に一度たった40分のピアノレッスンが、
 楽しさとともに、微力ながらも生涯学習として役に立つと信じて
続けていきたいと思います。
プロフィール
HN:
番匠 浪路
Webサイト:
性別:
女性
Template by kura07, Photo by Abundant Shine