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Oちゃんが練習しているのは、「夢のおはなし」という曲です。
この曲を聴くと、すやすやと眠りについた子どもが、
夢の中で見知らぬ世界へ入り込み、
冒険をして現実の世界へ戻ってくる様子を
私はいつも想像してしまう素敵な曲です。

Oちゃんの夢の世界がなかなか伝わってこなかった9月のレッスンでのこと。

「夢のおはなしってバラードのようなものだね。
 バラードって物語という意味なんだけど、
 物語には”きしょうてんけつ”っていうのがあるんだよ。」

「”きしょうてんけつ”?へえー、どんな字を書くの?」

「まだ習っていないと思うけど、起・承・転・結って書くの。
 起ははじまり、承で話が盛り上がって、
 転で話がころっと展開して、結でまとまるって感じ。」

「ふーん。起承転結かあ。」
と、興味深そうなOちゃん。

「じゃあ、ここが起で、承はここかな?」
「そうだね。眠りについた初めの部分が起で、
 夢の世界に入り込んだようなこの部分が承で・・・」
と、二人でイメージしていきました。
よほど印象に残ったのか、その日のレッスンの帰り際まで、
起承転結を口ずさんでいたOちゃん。
すると翌週のレッスンでは、
それまでなかなか変化が出せなった”承”の部分で、
表現しようとすることが、前よりも伝わってきたのです。

「Oちゃん、先週よりよくなっているわ。
 起から承へ変わるところとか、
 転も夢から現実の世界へ引き戻される感じがしたわ。」

ちょっと言い方を変えるだけで演奏が変わることを
Oちゃんから学ばせてもらったレッスンでした。

プロフィール
HN:
番匠 浪路
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性別:
女性
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