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ピアノを習い始めて4か月になる80歳のⅮさんは 「さくらさくら」を練習しています。
 まず最初の出だし”ラーラーシー ラーラ-シー(さーくーらー さーくーらー)” が
”ラッラーシー ラッラーシー(さっくーらー さっくーらー)”にならないように
レガート(なめらか)に音をつなげて弾くことを妥協せず練習してきたので、
つながっている時とそうではない時の違いを聴き分けて弾けるようになってきました。
同じ曲をずっと弾いていても飽きないし、楽しいとおっしゃるDさんは先日の練習で

「先生、ピアノを習って本当によかったですわ。
 この前テレビで長崎の駅に置いてある誰でも弾いて良いというピアノを
 70歳の男性が上手に弾いているのを見たんですわ。
 3年であんなに上手に弾けるんやなと思って。
 そんな番組もピアノを習ってるから目に付くようになりました。
 美智子上皇后様がピアノを弾いているのも見ていいなあと思いましたわ。
 そんなのを見ていたら、欲が出てきてね、
 同じ曲をずっと弾いていても飽きないし楽しいし、
 初めは童謡が弾けたらいいなあと思っていましたけど、
 あんなクラシックの曲も弾けるようになれたらいいなあと思うようになってきたんです。
 本当にピアノを習ってよかったですわ。」

こんな言葉が聞けてとても嬉しく、向上心のあるⅮさんに大変感心しました。そして、

「私は絵も習っています。絵はその人それぞれの想いを自由に表現したらいいんですけど、
 ピアノはどうなんでしょうか。こんな風に弾かないといけないゆうのがあるんですか。」

「いいえ、ピアノも同じですよ。音で自分を表現して伝えるのが音楽です。
 色々な演奏があって、皆それぞれ違っていていいんですよ。」

「それを聞けてよかったです。今日はそれが聞きたかったんです。」

80歳からピアノをスタートしようと以前から決めていたという謙虚で前向きなⅮさんに
人は何歳になっても向上し、変わることができるのだということを身をもって教わることが
できました。
この時「人は皆それぞれ違うことを音楽を通して知る」「学ぶことは変わること」
をずっと教え続けて下さっている師の言葉がぐんぐん蘇ってきました。
Ⅾさんと同じように私もピアノを習い続けてよかったと感謝するレッスンとなりました。 
プロフィール
HN:
番匠 浪路
Webサイト:
性別:
女性
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