先週は2日に渡ってハーモニカの演奏を聴く機会に恵まれました。
1日目はマイクのない大ホールでの演奏で,
何のブレも濁りもない素直な音が
心の襞に染みわたる素晴らしい演奏でした。
そして伴奏のピアノも、
呼吸の合った控えめなバランスで
ハーモニカを支えていました。
2日目はトークを交えたサロンでの演奏でした。
ハーモニカは他の管楽器と違い、
吸う音と吐く音があり、
吸う音にアクセントを感じることは、
人間の呼吸には不自然なことなので、
フレーズを歌わせるのに苦労すること、
しかも音域の離れた音に、
濁りを作らないように唇を移動させて、
フレーズを滑らかに歌わせることは、
とても大変だということなどをお話してくれました。
前日に聴いた素晴らしい演奏には、
聴き手にはわからない演奏者の方の呼吸の苦労があったことを知り、
ハーモニカという楽器の難しさを感じました。
ところで、ピアノはハーモニカや他の管楽器と違って、
幸か不幸か鍵盤を押さえれば音が出てしまい、
呼吸をせずともとりあえず演奏できてしまう楽器です。
でも、音楽の基本は歌であり、
呼吸をしてこそフレーズを自然に歌い上げ、
心地よい音楽を生みだすことができます。
子どもや大人に関わらず、
ピアノレッスンの習い初めのときから、
歌と同じように呼吸をして演奏することが当たり前になるように、
どの人にも伝えていきたいと思います。
私自身が師から伝え続けてきてもらっているように。