Oちゃんは今、”祈り”という曲を練習しています。
この曲は、左手がメロディーで、
右手は連続する8分音符の和音を強弱変化させて
左手のメロディーをより歌わせる助けとなるように、
表情豊かに演奏することが求められています。
「祈りってどういう意味なんだろう。」とOちゃん。
「この曲の絵はね、”カルアシチミーのおはなし”っていう絵本の中に出てくる、
カルアシチミーの奥さんのカルアシカアチャンで、
出かけて行ったきり帰って来ないチミーを心配して
どこへ行ったんだろうって、一生懸命さがしているところなんだよ。
カアチャンはチミーが無事でいますように、
早く帰って来ますようにって思っているのよ。
それが祈りだよ。
Oちゃんの家族がしんどそうにしていたら、
早く元気になりますようにって祈るでしょ。算数のテストがいい点取れますようにとか、
欲しい物が手に入りますようにとかいうのはお願いね。(笑)」
するとOちゃんが言いました。
「そうか、祈りって自分のことじゃなくて、他の人のためにお願いすることなんだ。」
まだ10歳にもならない子どもなのに、なんて感性の鋭い子なのかと、
私はとても感激して、うれしくなりました。
「すごい!Oちゃん、賢いねえ。そうよ、そうよ、誰かのために祈るんだよ。
誰かのために心を込めて演奏したら、きっといい演奏になるよ。
Oちゃんは、誰のために弾きたい?」
「うーん、先生には言わないけど、その人のために弾く!」
「いいよ、先生に言わなくても。その人のために心を込めて弾いてね(^^♪」
「はーい!」
常々、子どもを決してみくびってはいけないと教えられてきましたが、
先週のこの日もまた、そのことを実感することができました。
子どもって本当に素晴らしい(^^♪