今週の初レッスンは、
子どもたちから得るものがたくさんありました。
昨年12月からレッスンに通ってくれているZ君は、
おふざけの大好きな(^▽^;)いつもニコニコ笑顔で元気な男の子です。
12月最後のレッスンで鍵盤をゲンコツで一緒にリズム打ちしたときのこと。
「Zくん、リズム打ちする前に先生みたいに息をしてみてね。
まず先生がやってみるね。スー♩ ♩ ♩ 」
続いてZくん。
「ハーッ ♩ ♩ ♩」
「Zくん、吐くんじゃなくて吸うんだよ!スーってね。」
「ハーッ」
「いやいや、それじゃゴジラが火を噴いてるみたい!(笑)スーだよ。」
「(笑)だってー。できひんもん。」
子どもにとって意識して息を吸うというのは難しいことで、
その日Zくんはどうしても息を吸うことができませんでした。
ところが今週のレッスンではスーっと息を吸ってリズム打ちができるようになっていたのです。
「わあ、Zくん、息を吸うことができるようになったんだね!すごい、すごい!」
「はーい!スー、スー(笑)」Zくんはうれしそうに何回も息を吸いました。
2週間の冬休みの間にきっとZくんはお家で息を吸う練習をしたのでしょう。
小さな6歳の男の子の一生懸命な力が可愛くて愛らしくてたまらなくなりました(^^♪
次の日レッスンにやってきたNちゃん。
Nちゃんは「ピーターラビットと学ぶピアノ教本1」の
「かわいいことり」を練習してきました。
曲の中には全部で5羽のことりの鳴き声が出てきて、
それぞれの鳴き声を違う音域で弾く練習もしていたので、
そのイメージを絵に描いてきてもらいました。
Nちゃんは、レッスン室に入るなり真っ先にその絵を見せてくれました。
「Nちゃん、この絵には2羽しかことりがいないんだね。」
「ううん、ちゃんといるよ。
2枚目に描いたリンゴの木の中にね、3羽かくれているの。」
5羽のことりがちゃんと描かれている絵しか頭になかった私は
自分が狭い既成概念の中だけでものを考えていることを思い知りました。
姿は見えなくても鳴き声だこけが聴こえてくるNちゃんの豊かなイマジネーションに
とても心を打たれました。
「それじゃ、3羽のことりは少し小さな鳴き声になるね。」
Nちゃんは曲の中に出てくる最後の3羽のことりの鳴き声を
そっと弾けるように練習しました。
そして、次にレッスンにやってきたのはIくん。
Iくんは口数は少ないけれど、
こちらの言うことをじっと聞いていて、
しっかりと課題をこなして来ます。
今週は「ピーターラビットと学ぶピアノ教本1」の1曲目、
「ピーターのたいこ」を練習して来ました。
この曲は、ピーターラビットがたいこを打つように
真ん中のドを左右の指で弾く曲です。
「Iくん、よく練習してきたね。
では、とりがたいこを叩いたらどんな音になるかな?」
「うーん・・・レ」
「えっ?レになるの?わあ、違う音になるんだ。それもありだね。
そんなふうに答えたのはあなたが初めてだわ。おもしろいね。」
強弱や高さ、長さ、テンポの違うドが
応えで返ってくるだろうと思い込んでいた浅はかな私には、
Iくんのユニークな発想がとても新鮮でした。
子どものイマジネーションの世界は本当に豊かで色鮮やかで
いつも私の心を動かし、硬い頭を柔らかくしてくれます。
この素晴らしい子どもたちの力とイマジネーションの世界を狭めることなく、
大切に守り育てていきたいと思った新年初のレッスンでした。