先月からレッスンが始まった69歳でピアノ初心者のAさん。
先週のレッスンの課題は「ドシドシいばりやマーチ」でしたが、
それまでにレッスンした「ピーターのたいこ」、「ドレドレいばりやマーチ」
「ドレドレぴょんぴょんマーチ」も練習して来られました。
「ドレドレいばりやマーチ」は右手の1と2の指、2と3の指で、
「ドシドシいばりやマーチ」は左手の1と2の指、2と3の指で
曲名通りの音を太っちょうさぎが
さも威張ってぺたぺたと歩くようなイメージの音で演奏します。
たった2音ですが、マルカート(はっきりした音)で演奏できるように
しっかりと指の独立を身につける目的があります。
1本ずつの指を独立させて演奏するのはなかなか難しいことなので
この曲には大抵どの人も時間がかかると思いますが、
先へ進んだ時に苦労しないようにするため
子どもも大人も妥協せずにこの曲に取り組むことが肝心だと思っています。
Aさんのすごいところは、先へどんどん進むのではなく
1曲1曲を自ら納得のいくまで練習されるところです。
「なかなかね、この指が言うことをきかなくてね。」
「それは力が入っているからです。
私も同じですが、自分では気が付かないものなんですよね。
指を付け根から持ち上げてまっすぐストンと打つだけで
ピアノってはっきりとしたいい音が出てきますけど、
まだ指に力が入っていて、手を動かして弾いていらっしゃるので、
とても硬い大きな音になっていますね。」
「ああ、そうか。私の場合は弾きにいっているんですね。」
「そうです、そうです!わあ、いい表現ですね。」
「ゴルフでも一緒なんですよ。スッとクラブでボールを自然に打てばいいのに
どうしてもわざわざ打ちに行ってるんですよね。
そうか、そうか、そういうことか。」
「私はゴルフをしないからわかりませんけど、
野球でも何でも力を抜かないといけないのはきっと同じですね。」
" 弾きに行く”。うーん、言い得て妙なり!
「Aさんは熱心に練習されるので、私もレッスンが楽しみです(^^♪」
「いやいや、私は全然頑張ってもいないし、熱心ではないですよ。」
と、にこにこしながら小気味よく答えて帰られたのもまた妙なりでした(^^♪