<< 2025 / 01 >>
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
[ 98 ] [ 97 ] [ 95 ] [ 94 ] [ 93 ] [ 92 ] [ 91 ] [ 90 ] [ 89 ] [ 88 ] [ 87 ]
今年4月からピアノレッスンに通ってくれている4歳のT君は
「ピーターラビットと学ぶピアノ教本 1」の第1曲「ピーターのたいこ」を練習しています。

この曲は中央のドのみで作曲されていて、
3(中指),2(人差し指),1(親指)のどの指で弾いても
同じ長さ、速さ、大きさで弾くことが求められています。
ドは1の指と思い込ませないようにという作曲者の目論見で
3の指から練習するようになっているのも大切なポイントです。

先週のレッスンでT君はようやく3と2の指で大きな音と小さな音で弾けるようになったので、

「T君、今度はピーター(うさぎ)ではなくて違う動物のたいこにしてみようか。
 鳥のたいこだったらどんな音かな?高い音、それとも低い音かな?」

「うーん、高い音。」

「そうだね。じゃあ、どこで弾くといいかな?」

少し迷いながら高音のドで弾いたTくん。

「そうそう、元気な鳥のたいこだね(笑)それじゃあ、今度は牛のたいこはどんな音かな?」

次は低音のドで。

「象だったら?」

一番低いドまで移動して、ゆっくり大きな音で。

「ではね、鳥の赤ちゃんだったら?」

その時、高音で最初に弾いた鳥のたいことは違い、
静かな音でTくんはそっとそっと弾いてくれました。

「Tくん、そっと弾いたのは鳥の赤ちゃんだったから?」

「うん。そう。鳥の赤ちゃんだから。」

にこっと笑顔で答えてくれたTくん。

「すごいわTくん。自然にそんな風に弾こうと思えるなんて、
 先生感激しちゃったわ!」
 
ドだけの短い8小節の曲で、わずか4歳の男の子が弾いたのは、
心から表現された本物の音楽でした。
舞台で演奏されるものだけが音楽ではなく、
人とコミュニケーションがとれるものはみな本当の音楽ということを
先日教わったりばかりでした。
やっぱり子どもの力は素晴らしいです。



プロフィール
HN:
番匠 浪路
Webサイト:
性別:
女性
Template by kura07, Photo by Abundant Shine