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今週のkちゃんのレッスンです。

kちゃんは、今月からレッスンに通っている
明るくて、歌声のきれいな女の子。(おしゃべりもとても楽しい!)

体験レッスンでは、
「毎日が月曜日だったらいいのに!」と言うくらい
 とても楽しかったという本人の感想をお母さんから伺ったときは、
何て子どもらしくて愛らしいのだろうと、とても感激しました。
  
そんなkちゃんが今レッスンしている曲は、
「ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本 1巻」の
一番目の曲である「ピーターのたいこ」。
この曲は、4分音符のみの真ん中のドを左右の同じ指を使って、
同じ音量、音価、音質で弾けるように耳を澄ましながら、
たいこのように楽しく弾く曲です。

大きな音・小さな音、ゆっくりのテンポ・速いテンポで弾いてくることを
課題にしていましたが、リズム感のよいkちゃんは、
しっかりとした拍節感でニコニコと演奏。

「わあ、すごい!どの音もみんな揃ってたね。」
「kちゃんな、もうぜんぶおぼえた!呼吸もちゃんとできたよ!」
と自信たっぷりで笑顔のkちゃん。

こちらがメロディーを入れて一緒に連弾をすると、
「音楽になってる!」と、とてもうれしそう。

「今度は違うたいこにしてみようか。”リスのたいこ”にしてみて。
 どこで弾いたら、リスらしいかな?」
「うーん、こっち(ピアノの右側を指して)。リスだから、高い音!」
「そうそう。ピアノは右に行くほど高い音になるね・・・」と
言っている間に、もうさっさと椅子も足台も高い音域へ移動させているkちゃん。

「リスらしいかわいいたいこだね。では、ぞうのたいこだったらどうなるかな?」
「ぞうなんかだったら、バンバン鼻でたいこたたかないとあかんわ!((笑)」
と言いながら、今度は一番低いドへ移動し、重たそうな動きでたいこの音を
表現してくれました。

「今度はkちゃんだったら、どんなたいこにしてみたいかな?」
「ネコのたいこ!うちのお母さん、ネコが大好きやで。
 ラッキー(kちゃんの家の猫の名前)がたいこをたたくにしてみる。
 ネコだったら、ここらへんかなあ・・・」
 と、イメージした高さのドまで移動するkちゃん。
 
こんな調子であれこれいろいろなたいこを弾いていたら、
あっという間にレッスン時間が経過し、
そろそろ次の生徒がやってくる頃になると、
好奇心いっぱいの目をキラキラとさせながら、

「番匠先生、もう1回弾いておく方がいいで。」と
いつまでもピアノを弾いていたい様子のkちゃんは、
もう一度「ネコのたいこ」を演奏してレッスンを終えました。

これからも、もっともっとピアノが好きで、音楽が好きでたまらなくなってほしい。
それは、指導者の私にかかっていると思うと、
ムクムクとやる気が湧いてきました。

お家でも、ラッキーに「ネコのたいこ」を聴かせてあげてるかな?










先週のYちゃんのレッスンです。

Yちゃんは真面目で几帳面な女の子。毎週課題をきちんとこなしてきます。
  今レッスン中の曲は「ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本3」の中の
「ピーターの行進」です。

この曲は音楽隊が、
 ①遠くからやって来て、目の前を通り過ぎ、反対側へ行ってしまう
 ②目の前から出発して、遠くへ行ってしまう
 ③遠くからやって来て、目の前で止まる
の3通りのパターンで弾く、楽しい曲です。

「先週よりも強弱がはっきりしたね。。よくなってる、よくなってる!」
嬉しそうなYちゃん。

「このパターンが、一番弾きやすいかな?」

「うん。これが一番弾きやすいけど、あとの2つ(のパターン)は、
 ちょっと難しい。」

「そうだね。では、次は②のパターンで弾いてみよう!」

  ~ ♫ ♩ ♫ ♩ ~

「うーん、初めは大きくて最後は小さくなっているけど、
 だんだん遠ざかるのはわかりにくいね。どうしたらいいと思う?」

「まん中あたりをもう少し小さくしたらいいと思う!
 はじめの大きさと変わらなかったから。」

「そうそう、よくわかっているじゃない!
 1フレーズごとに大きさを変えていくといいんだけど、
 中間あたりであまり変わっていなかったね。
 もう一度、弾いてごらん。」

自分の演奏を振り返ってみて、
何ができていないか、そしてどうしたらよいのかを
ちゃんとわかっていたYちゃん。
本当に賢い!
 
こんなことくらい、まあいいかと素通りせずに、
子どもに立ち止まらせて再認識させることは、
本当に大切なことだと実感しました。
普段の練習では、小さな発見と修正の積み重ねが
上達するポイントの一つになるからです。

「Yちゃん、やっぱりさっきと全然ちがうわ。
 ちゃんと気を付けて弾けば、演奏で表現できるね。」

Yちゃんのゆったりとした息づかいと、大きく開いた瞳から、
達成できた自信のようなものが感じられました。
そして、私はまた一つ、生徒から大切なことを学ぶことができたのです。

そのあとYちゃんは、③のパターンで遠くから近づいてくる音楽隊の行進を
はっきりとした強弱変化で聴かせてくれました。
次の曲は、やまびこを表現する「丘の上」。
どんなふうに演奏できるかな?
楽しみにしてるね、Yちゃん。

今週のOちゃんのレッスンです。

Oちゃんは、はきはきとしたとても明るい女の子。
今、レッスンしている曲は
「ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本2」の中の
「美しい泉」という曲です。
曲の前半と後半で、同じメロディーが強弱と音域を変えて
湧き上がる美しい水を流れるように表現する音楽です。


今週は片手ずつの練習で、まずはメロディーのある左手から演奏。

「まだ慣れていないけれど、先週よりも良くなっているね。
 でも、強弱の違いがわからないなあ。」
「ああ、そうだった!ここから(後半を指さして)!変わるんだった。
 わすれてたー(笑)」
「やっぱりね。もう一度弾いてごらん。」

もう一度左手だけ演奏するOちゃん。


「あんまり変わってないね。どうしたらいいんだろう?」
「はじめをもうちょっと大きく弾くといいと思う!」
「そうだね。後のピアニッシモからは静かできれいな音にガラッと変えて弾いてみて。
 湧き上がってくる綺麗な美しい水を想像してごらん!」
「そうだ!(絵を)描いてきたんだ!」
「わあ、見せて見せて!」
 
 お母さんに調べてもらった泉の写真を見て描いてきたというOちゃん。
 泉は実際に見ることが少ないので、絵を描いてみて何となく分かった様子。
 その後は右手も練習し、両手で弾いてくることを来週までの課題としました。


 ちょうどそのとき、次の子がレッスンにやってきました。
 「ふーん、Oちゃん”美しい泉”弾いているんだ。
  先生、リズム変奏(楽譜にはないリズムで弾くこと)もした?」
 「あっ、そうだそうだ!覚えてたのはすごい!
  ありがとう、先生忘れてたわ (;´・ω・)
  Oちゃん、こんな風にリズムも変えて弾いてきて!」

 
 なんと、生徒に指摘されてしまい情けない・・・のですが、
 レッスンしたポイントを
 生徒が覚えていてくれてとても嬉しかったのです。
 
 
 そんな私をよそに、
 以前に習った曲を一緒に楽しそうに弾いている2人。
 彼女たちの微笑ましい姿を私はうれしく見つめているのでした。

先週の金曜日は、「ショパンの実像 手紙で綴るショパンの世界 -亡命者ショパンの光と影ー」と題されたピアノコンサートを梅田まで聴きに出かけました。

1曲ずつショパン自身が書いた手紙を元にした解説とピアノの演奏を聴くという、レクチャー・コンサートでした。

いつ、どこで、どんな心境でその曲が作られたのかをショパンの手紙の紹介をしながら丁寧でわかりやすく解説して下さっているのを聞いていると、普段から学んでいることが重なり、ショパンがどれほど自国のポーランドを愛し、一生亡命者という立場で異国のパリにて最期の時までポーランドのために生涯をかけて作曲し続けたのかが甦ってきました。

その尊く、信じられないほど美しいショパンの音楽は、誠実で美しい音色によって奏でられ、どの曲も魂にゆっくりと深く染みわたるように響くものでした。

私もショパンの曲を心から誠実に演奏し、畏れ多くも、気高いショパンの魂に触れてみたいと思いました。

そして、私が自分の師から教わったように全ての生徒たちに、こんなにも尊く素晴らしい音楽があるのだということを伝えたい、いつか演奏できるようになって、その音楽に没頭する喜びを感じてほしいと強く願ったコンサートの夜でした。
先週の土曜日は、今年第1回目のグループレッスンでした。
みんな今レッスンしている曲を一人ずつ演奏し、
演奏し終えた後には、他の全員から感想を伝えてもらいます。

普段の1対1のレッスンとはちがって、
少人数ではあるけれど人前で演奏するので、
雰囲気がかわり、少し緊張気味の子も中にはいるものです。

それでも、みんなに聴いてもらおうと一生懸命に練習してきている子、
練習不足でしまった・・・と思う人、
思っていたように弾けなかった子など
悲喜こもごもの様子は、
発表会と同じです。
 
やれやれ、演奏が終わった後には、
「強弱がはっきりしていた」
「流れていたけど、左手のメロディーがもう少し聴こえる方がよかった。」
「ペダルを使うとメロディーの音が響いてきれいね。」
「最初の方は流れていたけれど、後の方ではちょっとぐだぐだしていた。」
「のんびりとした感じがよく出ていて、遠ざかって行く様子もよくわかった。」
「難しい曲だけれど、上手に弾けていた。」
「うーん、よくわからないなあ・・・」
「泉ってなあに?」(”美しい泉”という曲を聴いた感想)
「さっきよりすごくながれていてきれいだった!」などなど、

正直な感想、
褒めやアドバイス、
ちょっと遠慮した感想、
うまく答えられなくて言葉に詰まり、お友だちに助けてもらった感想、
素朴な質問、
 良いところを見つけてみんなで頷くホットな合点・・・

演奏を聴くのも楽しみですが、こんな感想を聞く方が、
もっと楽しかったりするものです。

その後は、みんなでサン=サーンス作曲の「動物の謝肉祭」のCDを鑑賞しました。
いろんな動物をいろいろな楽器で表現している楽しい曲です。

何の動物か当てっこしながら聴き、どの曲が気に入ったかを尋ねると、
それぞれに違っていて、なかなか興味深い結果に。

「先生、感想って書くの?」
「そうね、書いてくれたらうれしいなあ。」
「もう、とっくに書いたよ!」
「えっ!すごい!もう書いたの!? みんな言われなくても書いたなんて
 素晴らしいわあ!」

素晴らしい子ども達と一緒に過ごした、グループレッスンの午後でした。

プロフィール
HN:
番匠 浪路
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女性
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