今月からピアノを習い始めることになったⅮさん。
初めてのレッスン日には、レッスン室へ入る前にとても丁寧にお辞儀をされて
この日を楽しみにしていたと、笑顔でハキハキとした口調でお話して下さいました。
初心者のため、まずは椅子の座り方からお伝えしたところ、
氏名と電話番号、それから ”番匠ピアノ教室 平成31年4月8日 3時” と書かれた
可愛い葉っぱの絵のノートに椅子の高さを細かく記入されました。
私はその立ち居振る舞いやハキハキとした口調、細やかな配慮を見て
「Ⅾさんは学校の先生をされていましたか?」と伺ったところ
「えっ!いやあ!そんなん言われたん初めてですわ。
女学校を出てからそのまま母校で先生の助手のようなことしてましてん。」
「やっぱりそうですか。ご様子拝見していたら分かります。素敵ですね。」
「ずっと学校しか知らないから世間知らずですねん。何にもでけへんのです。
でもよかった。そんな風に言うてもろて、ここへ来てよかった!」
豊かな人生経験を積んで来られたに違いない80歳のⅮさんの姿が
とても謙虚で素晴らしいので私は大変感動しました。
世間知らずで何もできないのはむしろ私の方であり、
2月の寒い朝にピアノを習いたい一心で
勇気を出して訪ねて来たとおっしゃったⅮさんに、
よくぞ訪ねてきてくださったと心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。
「いやあ、ピアノを習うとこんなことも教えてくれますの?楽しいわあ!」
こんな風に喜んで下さったⅮさんに、謙虚や素直でいることが
どれほど大切かということを私の方が教えられたのです。
明日は2回目のレッスン日です。
Ⅾさんとまた楽しく貴重な時間を過ごしたいと思います(^^♪