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暖かい4月に入り、いよいよ新学期が始まりました。

先月小学校を卒業したAちゃん。
ピアノを習いに来てくれるようになって4ヶ月が経ちました。

口数は少ないけれど、繊細で素直なAちゃんは、
いつも自然に呼吸をしながら、くせのないタッチで丁寧に1曲1曲を弾き、
コツコツと少しずつ力を付けてきました。

今週もAちゃんとのレッスンで優しい笑顔を見ることができたとき、
ピアノが大好きになってほしい!そんな気持ちが溢れました。
そのためにもAちゃんと、そしてもちろん全ての生徒とも、
楽しいレッスンを心がけていきたいと思っています。

先月末訪れた東京と名古屋では桜が5分咲きで、
                  
    
昨日の大阪では桜はほぼ満開でした。


ここ三田の桜はまだ蕾がほとんど。
来週の入学式に桜が咲いてくれたら嬉しいです(*^_^*)
今週の水曜日、仕事が忙しくてレッスンのお休みが続いていた保育士のHさんの
振替レッスンをしました。

先月のグループレッスンでは、他の人の演奏を聴くことで、
「泉」(ブルグミュラー18番エチュード)を演奏するヒントを得ることができたHさん。
この日のレッスンでは、以前よりも強弱がはっきりした演奏が出来ていて、
グループレッスンで得たヒントが、練習に役立ったことが伝わってきました。

童謡の弾き歌いも、いつもより深くレッスンができて、
Hさんに少し自信がついたように見えました。

ちょっとしたヒントがきっかけで、
いつもなんとなく弾いている曲が生き生きと変化して楽しくなり、
その相乗効果で新しく練習する曲も楽しくなっていくことがあります。
そしてそれは、たとえ小さくても自信につながっていく様子を
Hさんを通して見ることが出来ました。
毎日の生活にもプラス効果が出てきたら、とてもうれしいです(^^♪

さて、Hさんは学生時代は美術部に所属するほど絵画や工作がとても得意で、
先日は手作りの3月カレンダーを
 
 

この日は、お手製のとてもかわいい月謝袋を作って来てくれました。



可愛くてとても気に入っています\(^o^)/
ありがとうね、Hさん。また来週のレッスンを楽しみにしています(^^♪







先週土曜日は、今年初めてのグループレッスンでした。

いつものように全員、今練習中の曲を演奏して
お互いに一人ずつ感想を述べていきました。

今回は、メロディーをはっきりさせ強弱をつけて弾いているつもりが
他の人達にはそのようには聴こえていない、が焦点に。

「どうしたらいいかな?」とその都度みんなで一緒に考えると、
「左手(伴奏)をもっと小さくしたらいい!」
「上から指を落としているから大きくなりすぎるんだと思う。」
「初めが大きすぎるから、もっと小さくしたらクレッシェンドがはっきりすると思う。」
などの答えを出してくれました。
 
 この後みんなの演奏は、メロディーがはっきりしてきたり、
強弱がとてもよく伝わってきたり、
高音の響きがとても柔らかくなったり、変し~ん!

「そうか、これくらいしないと強弱がわからないんだあ。」
自分が弾くのを聴いてもらい、他の人が弾くのを聴いて
出来ていないところが今回よくわかった人もいたようです。
少しでも音を聴く力が実感できて、よかったよかった(^^♪

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ 

さてさて、ひと段落したところでティータイム!
女子会のように話題はいっぱいで、
最後には話題の「恋ダンス」で盛り上がりました。
(これがむずかしいんだなあ・・・(^▽^;)

皆さんお疲れ様でした!楽しい時間をありがとう(^^♪
子ども達を送り出して下さった保護者の方々、
ありがとうございました。

Yちゃんは、よく気が付く几帳面な女の子です。
 自分の前の子のレッスンを聴いて待っている間に、
必ず連絡帳に日付と練習してきた曲名を記入してくれるので、
私がレッスン後に連絡帳へ記入する手助けになっています。

そんなYちゃんが今週練習してきた曲は、
「グロースターの仕立て屋さん」という
両手ともに高音部を演奏するとてもメルヘンチックな曲です。
左手の各小節1拍目の音をレガートに(なめらかに)つなげるとメロディーになっていて、
右手はそれを飾る音が流れていきます。

ピアノの高音部は弦が短くて音の響きが低音部に比べて減りますが、
指をバタバタさせて弾くと、キンキンとけたたましい響きになってしまいがちです。
柔らかい音を出すには、手の位置や指の使い方を変えなければいけません。
Yちゃんはこの右手の音をいかにさりげなく柔らかく弾くか、
そして、メロディーをレガートに弾くことを
ずっと一生懸命練習して来ました。

「Yちゃん、すごく右手の音が静かになって揃ってきたね。
 メロディーもはっきりしてきたよ。」
「うん。でも、まだ右手がうるさくなっちゃう。」
 そこで、録音して聴いてみることにしました。

「やっぱり右手がうるさい!」
「そうね。もう少し右手の音量を落とせるね。録音してみるとよくわかるでしょ。
 先生も一度弾いてみるから、聴いてみて。」

「わあ、そんなに小さくしてもよく聴こえてる!私のはもっと大きい!」
「そうね。これだけ右手の音を落としても充分聴こえているでしょ。
 もっとメロディーがはっきりしてくるよね。
 自分で控えめに弾いているつもりでも、
 実際に聴いてみると随分大きな音で弾いていたりするものなのよ。
 第3者の耳になって聴いてみるとよくわかるでしょ。」
「うん。」
「Yちゃん、もう一度弾いてごらん」
 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
「わあ、すごく綺麗に流れてる!ステキ、ステキ!
 せっかくだからCDも聴いてみよう!」
 それからこの曲のCDを一緒に聴いてみました。
「Yちゃんと変わらないくらいだわ!すごいやん!」

うれしそうなYちゃん。
ピアノの音の可能性とその出し方弾き方を知って、
もっともっとたくさんの曲に出会い、
ピアノと音楽を好きになってくれたら、こんなうれしいことはありません。
そんなことを想い浮かべながら、わくわくしたレッスン時間でした(^^♪



Sちゃんは今、「ピーターラビットと学ぶ初めてのピアノ教本2」の
「美しい泉」という曲を練習しています。

この曲は8分の6拍子で
左手3つの8分音符から右手3つの8分音符へ
流れるようにレガート(なめらか)に受け渡し、
美しい水が湧き上がる様子を表現するものです。
メロディーは各小節の左手1つ目の8分音符をつないだものです。

先週のレッスンでは、自信たっぷりに演奏し始めました。

「Sちゃん、右手の最後の音がいつも次の音と混ざってしまってるよ。
 よく聴いてごらん。」

再び演奏するSちゃん。

「ほら。右手の最後の音が次の音までずっと残ってしまってる。
 急がないでいいから、ゆっくり弾いてよく聴いてごらん。」

ところが、その後何回弾いてもSちゃんの演奏は変わらなかったのです。
変わるどころかますます意固地になっていくばかり。

「先生の言っていることはわかりますか?
 わからなかったら、わからないと言ってね。」

「・・・・・」

「わからないのか、それともわかっているけど直せないのか、
 どっちだろうね?」

「・・・・・・」

Sちゃんの目はじっと楽譜を睨んだまま開いていて、
涙が溜まってきました。
(よし、ここからが肝心だ!)
Sちゃんの胸の辺りに手をかざしながら

「いま、あなたのここら辺に黒ーいものがうじゃうじゃと溜まっているよね。」
「フフフ・・・」
 Sちゃんの笑いが少しこぼれました。

「そんな黒いうじゃうじゃ虫がいたら、いい演奏なんて出来ないよねえ。
 気持ちいい演奏なんて出来ないよねえ。ああ、しんどいね。
 さあ、その黒いものを打ち破れー!打ち破れー!」
「フフフフフ(笑)」
 Sちゃんのいつもの笑顔が戻ってきました(^^♪

「ゆっくりでいいから、丁寧に丁寧に、よく聴きながらもう一度弾いてごらん!」

胸の中の黒いうじゃうじゃを打ち破ることが出来たSちゃんは、
今度はゆっくりでまだごつごつはしていましたが、
一音一音濁らない音の流れを聴かせてくれました。

「そうそう、できるやん!ちゃんと聴けてる!聴けてる!
 ちゃんとできるやん。
 さあ、来週はメロディーをもっとはっきりさせて、
 濁らないように弾いてきてね。」
「うん!」

そして、昨日のレッスンがやって来ました。

「わあ、すごい!濁ってない!美しい泉になってる!すごいすごい!」
「だってな、学級閉鎖になったから、ずっと練習してたで。」
「そう、えらい!先週は黒ーいものがいっぱい溜まっていたもんね。」
「そうやで。黒い泉になってた!(笑)」
「でも、今日はとっても澄んだ水の美しい泉になったね。よかったわあ(^^♪」

来週は、テンポを早めてもっと流れる美しい泉に仕上げてくることを課題にして
Sちゃんは元気な笑顔で帰っていきました(^^♪






 



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番匠 浪路
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